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2009年6月24日 (水)

石油!

 「石油! 」って、すごいタイトル。まぁ、邦題なのだが。その小説アプトン・シンクレアの「OIL!」は、去年のアカデミー賞でダニエル・デイ・ルイスが主演男優賞をとった「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 」の原作。2段組でかなりの分厚さだけど、映画を見て興味があったのと表紙のデザインとで読み始めたら、面白くてやめられなくなってしまった!

 映画はダニエル・デイ・ルイス扮するお父さんが主人公で、石油を手にすることでどこまでも欲望のままに堕ちて行く物語。見てるうちに、こういう人もいるのかも、と思った。あまりにも欲望を追求するのに躊躇がないので、この人はこれが生き甲斐なのだ、と。ポール・トーマス・アンダーソン監督の描き方か。まあ、人を殺めてはいけませんけど。

 それとは違って原作の方は、息子が主人公でお互いを思い合う仲の良い親子として描かれる。前半はだいたい映画と同じだが、息子であるバニーが成長するにつれ、ポールとの出会いも機に、「お父さん」の仕事や、社会に疑問を持ち始める。労働運動に傾倒していくポールの高潔な魂に触れ、崇拝しながらも、ブルジョワの息子という位置から逃れられないお坊ちゃんバニー。

 80年ぶりの復刊!ということだが、これを読むと柴田元幸さんが「これをIT業界に置き換えれば…」と解説に書いているけど、今と何が変わったのだろうか?と思う。当時は、石油を見つけたもんの勝ち!世界は石油という血によって動いている。石油があるということは、こういうことなのね?そりゃ、戦争負けるわ。ハリウッド映画がヨーロッパ中をプロモーションにまわる様子なんかも描かれているが、それも今と同じ。世界アメリカ化計画は、もうここから始まってだんだ。セレブな生活におぼれるバニーのお姉さんなんか、パリス・ヒルトン?アメリカって、80年前からこうだったんだ…。

 ストーリー展開も飽きさせないし、そういう、その頃のアメリカの様子もいきいきと表現されていて面白い。キャラもみんな立ってるし、労働者対経営者の話だけど、一方が悪いような描き方はせず、色んな手を使って自分の利益を拡大しようとするお父さんやその仲間達も、ちょっと豪快さも感じるようなキャラだったりする。

 とにかく、連ドラ見てるような面白さ!もう、なってるかな…。

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