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2007年12月27日 (木)

「カポーティ」

 去年のアカデミー賞で、フィリップ・シーモア・ホフマンが主演男優賞にノミネートされていた。「え?主演?」と思ったけど「カポーティ」をやったと知り納得!そして見事受賞。PTA(ポール・トーマス・アンダーソン)組から、「シカゴ」でジョン・C・ライリーが助演男優賞にノミネートされたのに続き快挙!!

 フィリップ・シーモア・ホフマンの「カポーティ」、ぜひ見なきゃと思って待ってたら、この前WOWOWで放送があった。まさに、なりきりカポーティ。さすがです。(本物を見た事あるわけじゃないが…)

 ストーリーは、主に「冷血」が出来上がるまでの話。昔、読んだのでどんな話だったか忘れてたが、実際に起きた一家惨殺事件を題材に、犯人の生い立ちから事件の結末までを描いた作品だ。これがノンフィクション・ノベルというジャンルを切り開いたらしい。現場周辺から、警察への細かい取材、そして犯人との面会を重ねて作品は作り上げられるのだが、犯人の生い立ちを知るうちに、自分の生い立ちを重ね合わせていく。犯人への感情移入の反面、作品を書き上げたいという欲望、絶対売れるという確信やらが、彼を悩ませる。

 最初は、名声のためにどんな手を使ってでも取材するカポーティが、地元の警部に「冷血」とはあなたの事か?と言われるように、えげつなく見える。しかし、だんだん犯人の死刑、という結末を迎えなければ、出版にたどりつけない、でも死刑になってしまえば、もう犯人とは会えない…、という矛盾の中で苦悩するようになっていく。それが、最後まで本心なのか、計算なのか微妙な感じに見える。そうまでして、書きたいと思うのがやっぱり作家という職業なのかな?でも、それ以降書けなくなってしまうのは、良心からか?

 一時期、カポーティの作品を好きで読んでた頃があったけど、そこから感じられるのは、繊細さと孤独感。それは、「冷血」の犯人にも共通する、少年の頃の生い立ちから生まれたものだろう。映画では、ホントえげつなさが際立って見えるけど、「クリスマスの思い出」なんか泣けるのになと思う。どっちが、本当のカポーティか。人の注目を集めずにおれない、自己愛の強さも孤独感の裏返し。寂しい少年は、大人になっても僕を見て!と叫んでいる。その、どちらも彼なのだ。

 もう一度、カポーティを読みなおしてみたくなった。それで手始めに、以前から欲しかったジョージ・プリンプトン「トルーマン・カポーティ」を注文。その感想はまた…。

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